No.4からの続き。
常磐炭田ハント - 最後のターゲットは『八茎鉱山』。
いわき市四倉町に位置するスカルン鉱床で、石灰石および砕石の採掘が行われていた施設です。
こちらの写真を御覧ください。

規模が大きいでしょう?
実は、既に一部解体が始まっているという噂を聞き、何としても壊される前に見ておきたかったのです。
ノスタルジックの生存期間は有限。
一度消えてしまえば、もう二度と会うことはできないのです。
そう、
足尾の製錬所のように・・・。
残された時間が短いことは、誰の目にも明らかだった。
だから走った!
しかし・・・
目の前に現れたのはあまりにも寂しい光景。
解体作業は既に終わっていたのです。

嘘だろう!
あまりの悲しみと絶望感、襲いかかる脱帽感で言葉も出ない・・・。
基礎を見るだけでも、その規模の大きさが強烈に伝わってきます。
これがもし、解体される前だったら・・・。
もう二度と会えないことはわかっていても、そんなことを考えずにはいられません。

ここを勢いよく流れる石灰石。
まさに圧巻の風景だったのでしょうね。

むき出しになった鉄筋が、妙に寂しそうに見える。
君は今、何を見ているんだ?

視線の先には、昔から何も変わっていないような山々の姿が。
そうか、自分自身の姿は大きく変わっても、ここからの風景は何も変わっていないんだね。

置き去りにされた男達の道具が、栃木ハンターに語りかける。
『寂しい』と・・・。
私だって、私だって寂しい。

止まった時の流れ。
ここの時間は止まっている・・・1992年の新聞紙。
エネルギー革命に呑まれた鉱山が、奇しくも新しい時代のエネルギー『太陽光発電』を見ていたんですね。
グズッ・・・寂しい。
どうしても、もう一度だけ、この八茎鉱山が解体される前の姿を見てみたい!!!

そうだ!私には特殊能力があったのです!
それは『
ノスタルジックパワー』。
プロのハンターは、悲しみをエネルギーに変え、ほんの少しだけ時間と空間を歪ませることができるのです。
今でもできるかな?
この年老いた体でも、あのパワーが使えるのか?
結果はわからないけど、取るべき道は一つ!!!

スッ・・・。
気持ちを落ち着け、気を集中する。
ノスタルジックパワー全開!戻れ!八茎鉱山よ!!!・・・・・ゴンッ、ゴンッ、ガガガガガ・・・・聞こえる!
これは、八茎鉱山が稼働中の音!
目を開けると、そこには信じられない風景が広がっていたのです。
おぉ!稼働中の八茎鉱山!!!スゴイ規模だぁ~!
もう少しジックリと見てみましょう!
・・・しかし、パワーは長時間は続かなかった。

あっという間に風景は元に戻り、時の流れも空間も現在に戻ってしまったのです。
もう私は、現役のノスタルジックハンターでは無いということでしょうか。
でも、一瞬だけだったけど、八茎鉱山の姿を見れた!
それだけで満足。
さようなら、ありがとう!八茎鉱山、そして常磐炭田。私達の旅の記録はこれで終わりです。
2日間だったけど、充実したハントでした。
"ノスタルジックの生存期間は有限"、それをまた強く感じる結果となりました。
次はどんなノスタルジックをハントしましょうか!
今から楽しみでなりません。
* * *さて、今回のシリーズはいかがでしたか?
えっ?廃墟ばかりで退屈だった? ・・・う~ん、そうかも知れませんね(笑)。
でも、また懲りずに廃墟シリーズを書きますよ!
乞うご期待!!!
アニョン!