No.3からの続き。
鉱山の歴史なんて、人類の時の流れの中ではほんの一瞬の出来事。
瞬きをするくらいの時間だったのかも知れない。

常に変わりゆく時の中では、だた一つの歴史に過ぎないのかも知れません。
しかし、たった一つだけ変わらないものがあったのです。
それは・・・。
男達が家族のために生きたということ。
家族を守るために、幸せに暮らすために、ここで生きたということ。

そんな暮らしの舞台がこの長屋。
文字通りひとつ屋根の下で数家族が暮らしていた。

もちろん、トイレだって共同。
それでいいのです。
これこそが現代の人々が忘れてしまった本来の暮らし。
常にご近所で顔を合わす共同生活。
何気なく支えあって生きていたのです。

『おかえりなさい』。
確かにそんな声が聞こえたような気がしました。
さて、長屋で疲れを癒したら、次は娯楽でしょう!
ここ湯本には様々な娯楽施設が存在したようです。
その中でも大人気だったのが『相撲』。

さぁ!仲間を誘って内郷神社に集合です。
もうみんな集まっているかな?

到着!こちらが『相撲場』です。
ローマの円形劇場(コロシアム)を彷彿させるような観客席まである相撲場。
力自慢の炭鉱マンがこの場所でぶつかり合うのです。

もうみんな集まっていますね!
相撲場内は炭鉱マンの声援、ざわめき - 熱気ムンムンです。

ぶつかり合う肉体!イケー!ソコダー!
流石は日中に炭鉱で鍛えた肉体です、どちらも簡単には譲りません。
戦いが長引けば長引くほど興奮する場内。
楽しい!
気がつけば、その場所で一緒に騒いでいる栃木ハンターの姿が。
次は私も挑戦してみようかな。
このハントで鍛えた体で戦いを挑んでみましょう。 行くぞ!!!

ファァ・・・ン、ガタゴト。
夢?瞬きをするくらいの時間だったのかも知れない。
でも、私は確かに感じたのです。
炭鉱マンと一緒に騒ぐ自分の姿を。
沢山の出会い、思い出を胸に、私たちは内郷・湯本地区を後にした。
新たなる出会いを求めて。
No.5(最終話)に続く。
* * *その後、足尾でも有名だった古河財閥系炭鉱は早々と昭和39年に閉山。
様々な事業を持っている財閥ならではの決断でしょう。
炭鉱マンは別の仕事に配置転換されたそうです。
しかし、常磐炭砿には石炭しか事業が無かった。
古河のように労働者を炭鉱以外に配置転換することができなかったのです。
フラガールそう!彼らは炭鉱で大きな障害であったはずの温泉事業に転換を決めたのです。
約5,000人とも言われた労働者達は、閉山までにほぼ100%配置転換に成功したということです。
いかがですか?
皆様もTSUTAYAテクノ店に行って「フラガール」のDVDを借りて見てみましょう。
背景にあったのはそんな事情だったのです。